このスピーカーエッジ張替記はナガラ族で背中で音を聴いているタイプの何事にも全くこだわらない性格の工作記です。
   オーディオをキチンと楽しむ人で左右の音の特性を大事にする方や低域共振周波数foをオリジナルに忠実に再現されたい方は専門の業者さんに依頼されるべきだと思います。
   「いつか自然にエージングが済むだろう!」「測定器購入費までは手が回らないぞ!」「丈夫なのが一番!」・・といった程度の製作記ですので・・参考になりません・・・悪しからず。(^_-)

   張替え作業は熟練を要求されます。私はJBL2115ユニットが初体験でしたが波打ちデコボコの御粗末な仕上がりになりました。本番に備えて数個のユニットで練習される手順が
   必要だと思います。繰り返しの経験は 何事に於いても不可欠ですね。いきなりストレートで大成功する事は難しいだろうなと思いますよ。
  


   

 

   
 

フォステクスFW187を購入してから 8年目になります。
ウレタンエッジがベタ付いて来ました。寿命ですね。
指先で触ってみると簡単に剥がれてしまいました。

ベトベト状態ですからコーン紙や指先・器具に付着した汚れを
綺麗に落としたほうが良いようです。
消毒用アルコール・イソプロピルを用意しました。

(古いスピーカーには安易に触らないように致しましょう。
 補修が必要になり大変な事態になりますよ!)

 

 
 

<補修材料>

老舗のヒノオーディオから購入した人工皮革の
エッジ補修材です。今回のサイズはSER−4を選びました。


エッジ補修材の寸法取はコンパスを使用して
厳密に印を付けて置きますと加工する時に重宝します。
印つけには赤鉛筆を使用しました。

 
 


<工具一式>

接着剤=ボンドGクリヤー
汚れ落し=イソプロピルアルコール・綿棒
金属ヘラ(鋼板で自作)
エッジ形成ヘラ
ハサミ
コンパス
ボンド塗り用に細工ヘラ(自作)
ピンセット
筆( 使い古しの古筆があると重宝しますし必需品です。)

(接着材はフレームにはボンドG17でも可ですが、
エッジに塗るのは、はみ出たときに黒が
無難なようですね。出来るだけ余分に付けぬ事が肝要です。
 「デービーボンド」をエッジ補修材を一緒にヒノオーディオに
 注文しました。色は黒で価格は1本¥170円です。)

 

 

 




自作のエッジ形成用。ステンレス製です。
これでエッジのアールを仕上げて音の調整にも使用します。
穂先のカーブはスピーカーユニットの
エッジカーブに合わせて 作成します。
 
 
ピンセットと綿棒で古いウレタンエッジを完全に除去します。
 
 

エッジ補修材をフレームに接着します。乾くまで待ちます。
15分ほどで固定が済んだら次の工程に進みます。


コーン紙裏側にボンドを塗り補修材を裏側に固定しますが
軽くコーンを押さえてダンパーを動かしコイルの接触の有無を
細かくチェックして進めます。触っていなければOKです。
接着材は筆塗りが確実で綺麗です。


裏側からエッジ形成用針金でアールの形をまとめ柔らかい調子に仕上げます。(測定器で確認しながらfoを合わせるべきですけど) 補修材自体にカーブが付いていますので形成はソレをなぞる程度 の作業です。
 
 





        張替えたエッジ部分の拡大です。
        新品の時より質量感があります。
        価格相応な豪華さと強度です。

<完成姿です。>

     スピーカーユニットに合わせてSERの4タイプと白が
  用意されていますので適合するものを選べば
  最終の仕上げに苦労することなく 完成いたします。
  
  朝から夕方まで音楽を流してユニットを酷使していますが
  SERの耐久性には感動してしまう強度がありますね。




倉庫で眠っている16cmウーハーも
ついでに張替えを済ませました。

 

 
 


スコーカーとウーハーは固定抵抗で5000Hzクロスオーバー。
抵抗値を決定するまで数度の試聴と、やり直しが必要でした。
ツィーターは10000Hz以上で半固定のオマケ程度です。

昔のSANSUI製=SP30格子グリルを改造しました。
外部は木目仕上げのニス塗りですが内部バスレフ板は
切り刻んでいますのでラッカー仕上げです。総重量9.5キロ。

木材を加工して後側に箱を継ぎ足し内容積を増やしています。
15リットルから21.85リットルに変更しました。
スコーカーはFOSTEXのUP120。ツィターはナショナルの
EAS−5HH10で上置きだけの取り外し式にしています。

施工後の試聴結果はユッタリした響きで柔らかい音になりました。
今迄は如何にも現代的な気ぜわしい音色でしたから、
先ずは一安心です。
もう一台分も引き続き作業を終え、左右が完成しました。

エッジ補修材の寸法をシビアに合わせて張替えましたので
左右の音のバランスも定位も一度で合ってくれました。

2本のスピーカーの張替えは同じ調子で行うと
後の調整が不要になり楽チンですよ。